適応
重症筋無力症
用法
1日15mg 分3(増減)
禁忌
1)過敏症
2)消化管又は尿路の器質的閉塞(消化管機能を亢進させ,悪化.また尿の逆流を引き起こす)
3)迷走神経緊張症(迷走神経の緊張増強)
4)脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)投与中(全身麻酔時に持続性呼吸麻痺)
注意
〈基本〉
①時に筋無力症状の重篤な悪化,呼吸困難,嚥下障害(クリーゼ)があるので,臨床症状でクリーゼを鑑別.鑑別困難な場合,エドロホニウム2mgを静注し,クリーゼの種類を鑑別し,以下の処置
a)コリン作動性クリーゼ:悪心・嘔吐,腹痛,下痢,発汗,唾液分泌過多,気道分泌過多,徐脈,縮瞳,呼吸困難等の症状が認められた場合又はエドロホニウム投与時,症状が増悪ないし不変の場合は,直ちに本剤中止し,アトロピン0.5~1mg(症状に合わせて適宜増減)静注.呼吸不全に至ることもあるので,その場合は,気道を確保し人工換気を考慮
b)筋無力症クリーゼ:呼吸困難,唾液排出困難,チアノーゼ,全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム投与時,症状の改善が認められた場合は,本剤の投与量増加
患者背景
〈合併・既往〉
①気管支喘息(悪化)
②甲状腺機能亢進症(悪化)
③徐脈・心臓障害(心拍数低下,心拍出量低下を起こす)
④消化性潰瘍(消化管機能を亢進させ潰瘍を悪化)
⑤てんかん(悪化)
⑥パーキンソン症候群(悪化)
⑦糖尿病(インスリン分泌促進作用によると考えられる血糖降下の報告)
〈妊婦〉妊B2有益のみ 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続または中止 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉減量等注意
相互
〈併用禁忌〉脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)の作用増強し,全身麻酔時に持続性呼吸麻痺(本剤が前記薬剤の分解阻害) 〈併用注意〉
1)副交感神経抑制薬(アトロピン等):過剰投与を招くおそれ(前記薬剤が本剤のムスカリン作用を隠蔽)→常用回避
2)コリン作動薬(アセチルコ