診療支援
薬剤

(合剤)ネオスチグミンメチル硫酸塩・アトロピン硫酸塩水和物
neostigmine methylsulfate・atropine sulfate hydrate
アトワゴリバース AtvagoReverse(テルモ)
 静注シリンジ:ネオスチグミンメチル硫酸塩1.0mg・アトロピン硫酸塩水和物0.5mg/3mL,2.0mg・1.0mg/6mL

適応

非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗

用法

1回1.5~6mL(ネオスチグミンメチル硫酸塩として0.5~2.0mg,アトロピン硫酸塩水和物として0.25~1.0mg)を緩徐に静注(増減) 注意

①投与は,筋弛緩モニターによる回復又は自発呼吸の発現を確認後に行う

②特別な場合を除き,15mL(ネオスチグミンとして5mg,アトロピンとして2.5mg)を超えて投与しない

③徐脈がある場合には,投与前にアトロピンを投与して脈拍を適度に増加させておく

④血圧降下,徐脈,房室ブロック,心停止等あり→アトロピン0.5~1.0mgを入れた注射器をすぐ使えるようにしておく.これらの副作用の際は,アトロピン等を追加投与

!警告

‍ 緊急時に十分対応できる医療施設において,本剤の作用及び使用法について熟知した医師のみが使用

禁忌

1)消化管又は尿路の器質的閉塞(蠕動運動を亢進させ,また排尿筋を収縮させる作用を有する)

2)過敏症

3)迷走神経緊張症(迷走神経興奮作用を有する)

4)脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)投与中

5)閉塞隅角緑内障(眼圧が上昇し,症状悪化)

6)前立腺肥大による排尿障害(膀胱平滑筋弛緩,膀胱括約筋緊張により,排尿困難悪化)

7)麻痺性イレウス(消化管運動抑制,症状悪化)

〔*:抗コリン作用による〕

注意

〈基本〉時に筋無力症状の重篤な悪化,呼吸困難,嚥下障害(クリーゼ)→臨床症状でクリーゼを鑑別,困難な場合にはエドロホニウム2mg静注,クリーゼを鑑別し,以下の処置

コリン作動性クリーゼ:腹痛,下痢,発汗,唾液分泌過多,縮瞳,線維束攣縮等の症状の際又はエドロホニウム投与時症状が増悪ないし不変の場合は,直ちに投与中止し,アトロピン0.5~1mg静注.更に,人工呼吸又は気管切開等を行い気道確保

筋無力性クリーゼ:呼吸困難,唾液排出困難,チアノーゼ,全身の脱力等の症状の際又はエドロホニウム投与時症状の改善が認

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