適応
高血圧症(本態性,腎性),以下の慢性浮腫における利尿:心性浮腫,腎性浮腫,肝性浮腫
用法
1日25~50mg.この1日量を朝1回又は朝,昼の2回に分けて投与(増減) 但し,高血圧症に用いる場合は少量から開始して徐々に増量.又,悪性高血圧に用いる場合は,他の降圧剤と併用
禁忌
1)無尿,急性腎不全(腎機能を更に悪化)
2)体液中のNa,Kが明らかに減少(低Na・低K血症等の電解質失調を悪化)
3)過敏症〔サイアザイド系薬剤,その類似化合物(スルホンアミド誘導体)〕(皮疹,光線過敏症)
4)肝性昏睡
5)デスモプレシン(男性における夜間多尿による夜間頻尿)投与中
注意
〈基本〉
①利尿効果は急激に現れる為,電解質失調,脱水に注意し,少量から開始して,徐々に増量
②連用する場合,電解質失調が現れるので定期的に検査
③夜間の休息が特に必要な患者には,夜間の排尿を避ける為,昼間に投与が望ましい
➍降圧作用に基づくめまい,ふらつき→運転注意
患者背景
〈合併・既往〉
①重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症(急激な利尿が現れた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発)
②本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病(高尿酸血症,高血糖症を来し,痛風,血糖値の悪化や痛風が顕性化)
③下痢,嘔吐(電解質失調)
④高Ca血症,副甲状腺機能亢進症(Ca貯留作用があり副甲状腺腫)
⑤減塩療法時(低Na血症等の副作用)
⑥交感神経切除後(降圧作用が増強)
〈腎〉
①急性腎不全:禁忌(腎機能を更に悪化)
②重篤な腎障害(急性腎不全を除く)(低K血症)
〈肝〉
①肝性昏睡:禁忌(血中アンモニア濃度を上昇させ症状悪化)
②肝硬変(連用により低K血症等の電解質失調)
③肝疾患・肝機能障害(肝性昏睡を除く)(肝機能障害を悪化)
〈妊婦〉妊C有益のみ(動物で胚致死) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(動物で乳汁移行性) 〈小児〉乳児は電解質バランスが崩れ易い