適応
狭心症,洞性頻脈
用法
1日15mg 分3(増減) 注意褐色細胞腫の患者では,単独投与により急激に血圧が上昇する為,α遮断剤で初期治療後に投与し,常にα遮断剤を併用
禁忌
1)気管支喘息,気管支痙攣の恐れ(気管支平滑筋のβ受容体を遮断し,気管支筋を収縮する為,症状悪化)
2)糖尿病性ケトアシドーシス,代謝性アシドーシス(血液のpH低下により,生体でのカテコールアミンの反応性が低下し,心血管系に対して,心筋収縮力の抑制等)
3)高度の徐脈(著しい洞性徐脈),房室ブロック(Ⅱ,Ⅲ度),洞房ブロック
4)心原性ショック
5)肺高血圧による右心不全(心拍出量を抑制するため症状悪化)
6)うっ血性心不全(心筋収縮力抑制作用の為,症状悪化)
7)未治療の褐色細胞腫
8)妊婦・妊娠
注意
〈基本〉
①投与が長期にわたる場合は,心機能検査(脈拍,血圧,心電図,X線など)を定期的に行う.特に徐脈及び低血圧を起こした場合は減量又は中止.又,必要に応じアトロピンを使用.尚,肝機能,腎機能,血液像等に注意
➋類似化合物(プロプラノロール)使用中の狭心症患者で急に投与を中止した時,症状が悪化したり,心筋梗塞を起こした症例が報告→休薬を要する場合は徐々に減量し観察.又,医師の指示なしに中止しないよう注意.狭心症以外の適用,例えば不整脈で投与する場合でも,特に高齢者において同様の注意
③甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると,症状を悪化させる為,休薬を要する場合は徐々に減量し観察
④手術前24時間は投与しないが望ましい
〈小児〉未確立 〈妊婦〉禁忌(未確立) 〈高齢〉少量から開始等慎重に.休薬を要する場合は,徐々に減量
相互
〈併用注意〉
1)交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等):過剰の抑制を来す→減量等注意(相加的に交感神経抑制作用を増強)
2)血糖降下剤(インスリン,トルブタミド,アセトヘキサミド等)の血糖降下作用