診療支援
薬剤

エスモロール塩酸塩新様式H
2123
esmolol hydrochloride
ブレビブロック Brevibloc(丸石)
 :100mg/10mL/V

適応

手術時の上室性頻脈性不整脈に対する緊急処置 注意洞性頻脈においては,その原因検索及びその除去が重要であることに留意と共に,本剤の効果が心拍数の減少であることを踏まえて,緊急処置として必要に応じて使用

用法

1回0.1mL/kg(1mg/kg)を30秒間で心電図の連続監視下に静脈内に投与(適減).引き続き持続投与を行う場合は,0.9mL/kg/時(150μg/kg/分)の投与速度で持続静脈内投与を開始し,適宜投与速度を調節し,目標とする心拍数を維持.尚,持続投与は,年齢,症状により適宜低用量から開始 注意

①単回投与により効果を認めたものの,その後頻脈が再発し,再投与が必要な場合は,少なくとも5分間の投与間隔を置く

②褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では,α遮断剤で初期治療後に投与し,常にα遮断剤を併用

③国内臨床試験において,150μg/kg/分を超える速度に増量することによる有効性の増強は証明されておらず,300μg/kg/分を超える速度での投与経験はないことを踏まえ,用量調節に当たっては,心拍数,血圧等の変化に注意

禁忌

1)過敏症(本剤,β遮断剤)

2)糖尿病性ケトアシドーシス,代謝性アシドーシス(アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強)

3)洞性徐脈,房室ブロック(Ⅱ,Ⅲ度),洞房ブロック,洞不全症候群

4)心原性ショック(心機能を抑制し,症状悪化)

5)肺高血圧による右心不全(心機能を抑制し,症状悪化)

6)うっ血性心不全(心機能を抑制し,症状悪化)

7)未治療の褐色細胞腫又はパラガングリオーマ

注意

〈基本〉

①洞性頻脈に対して投与する場合は,心筋虚血の発生及びその悪化のリスクを有する患者における心筋酸素需給バランスの維持等,頻脈処置の必要性を考慮し,患者の基礎疾患や合併症の内容,手術内容及びRate Pressure Product(RPP)等より,心拍数の上昇を抑える必要がある

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