適応
本態性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症
用法
1日20mgより開始し,効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し,1日2回に分割(増減)
禁忌
1)心原性ショック(心臓のポンプ機能が低下)
2)高度の徐脈(著しい洞性徐脈),房室ブロック(Ⅱ,Ⅲ度),洞房ブロック(陽性変時作用,陽性変伝導作用を抑制)
3)うっ血性心不全(心臓のポンプ機能が低下)
4)糖尿病性ケトアシドーシス,代謝性アシドーシス(心筋収縮力の抑制を増強)
5)肺高血圧による右心不全(心臓ポンプ機能低下により,症状悪化)
6)気管支喘息,気管支痙攣の恐れ(喘息症状の誘発・悪化)
7)妊婦・妊娠
注意
〈基本〉
①少量より開始し,長期投与の場合は心機能検査(心電図,X線等)を定期的に行う.尚,肝機能,腎機能,血液像等に注意
②初期投与量が多すぎたり,急速に用量を増加したとき,起立性低血圧,徐脈が現れる為,仰臥位をとらせる等の措置.又,必要に応じて対症療法
➌β遮断剤の投与を急に中止したとき,症状が悪化した症例が報告→休薬を要する場合は徐々に減量し観察.又,患者に医師の指示なしに中止しないよう注意.特に高齢者においては注意
④褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き,手術前24時間は投与しないが望ましい
➎めまい,立ちくらみ等→運転注意
〈その他〉長期間投与する場合は眼科的検査等,注意して投与.動物で,メラニン色素に富む眼のぶどう膜との親和性が高い報告
患者背景
〈合併・既往〉
①うっ血性心不全の恐れ(ジギタリス剤を併用等慎重に投与.症状悪化)
②特発性低血糖症,コントロール不十分な糖尿病,長期間絶食状態(低血糖症状を起こし易く,かつその症状をマスクし易い)
〈肝〉重篤な肝機能障害(代謝が抑制)
〈妊婦〉禁忌(動物で妊娠末期の投与により死産率及び新生児死亡率の増加が報告) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(動物で乳汁中移行する報告) 〈小児〉臨床試験は未