適応
1慢性胃炎における消化器症状(腹部疼痛,悪心,噯気,腹部膨満感)
2過敏性腸症候群
用法
11日300mg 分3(増減) 21日300~600mg 分3
患者背景
〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉減量等注意
副作用
〈重大〉肝機能障害:0.1%未満,黄疸(AST・ALT・Al-P・LDH・γ-GTPの上昇を伴う肝機能障害,黄疸) 〈その他〉
1)消化器(便秘,下痢,腹鳴,口渇,口内しびれ感,悪心・嘔吐)
2)循環器(心悸亢進)
3)精神神経(眠気,めまい,倦怠感,頭痛)
4)過敏症(発疹,蕁麻疹,瘙痒感)
5)泌尿器(排尿障害,尿閉)
動態
Tmax:30分前後(100mg) T1/2:約2時間
作用
消化管平滑筋に直接作用し,上部消化管運動機能を調整し,又,末梢性の制吐作用も呈する
構造式
臨床解説
トリメブチンマレイン酸塩
使用目的
(1)消化管運動調律作用により,慢性胃炎における種々の症状を改善する.
(2)過敏性腸症候群の症状を改善する.
使用法
(1)慢性胃炎では,1日300mgを3回(毎食後)に分けて内服投与する.胃運動を調律し,膨満感,腹痛,悪心,げっぷなどの症状を改善する効果があるとされている.本薬の作用は蠕動運動に対するものであり,胃粘膜病変自体には作用しない.症例により酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などの併用が必要である.
(2)過敏性腸症候群では,1日300~600mgを3回(毎食後)に分けて投与する.便通異常や腹痛を改善する効果があるとされている.便通異常は下痢にも便秘にも効果的とされてはいるが,本薬はどちらかといえば消化管運動の抑制方向に働き,便秘型の場合には症状が増悪することもある.
使用上の注意
消化管運動機能疾患に関しては未解明の点が少なくない.慢性胃炎や過敏性腸症候群の症状を運動機能異常から捉えることは,魅力的な解釈ではあるが,すべてを説明するには