診療支援
薬剤

グリセリン新様式
2357
glycerin
グリセリン(各社)
 浣腸液:50%(30・40・50・60・90・120・150mL/個)

適応

便秘,腸疾患時の排便

用法

1回10~150mL(増減) 直腸内注入

禁忌

1)腸管内出血,腹腔内炎症,腸管穿孔又はその恐れ(腸管外漏出による腹膜炎の誘発,蠕動運動亢進作用による症状増悪,グリセリンの吸収による溶血,腎不全)

2)全身衰弱が強い(強制排便により衰弱状態を悪化させ,ショック)

3)下部消化管術直後(蠕動運動亢進作用により腸管縫合部の離解を招く)

4)吐気,嘔吐又は激しい腹痛等,急性腹症疑い

注意

〈基本〉連用による耐性の増大等のため効果が減弱し,薬剤に頼りがちになるので長期連用を避ける 〈適用上〉

①浣腸用にのみ使用

②注入に際し,直腸粘膜を損傷する為,慎重に挿入.挿入時,損傷を起こし,出血がみられた場合,グリセリンが血管内に入り,溶血を起こす

③患者状態を観察しながら投与し,異常が認められた場合は直ちに投与を中止

④連続の使用を避け,1個を1回で使用し,使用残液は容器ごと廃棄

患者背景

〈合併・既往〉

①局所(腸管,肛門)に炎症・創傷(出血を促しグリセリンが吸収され溶血,又,腎不全)

②腸管麻痺(蠕動運動亢進作用により腹痛等の症状増悪)

③重症硬結便(浣腸剤では十分な効果が得られず,腹痛等の症状増悪)

④重篤な心疾患(症状増悪)

〈妊婦〉有益のみ.子宮収縮を誘発して流早産 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止 〈小児〉乳児に投与する場合は慎重に.患児側の反応を十分に把握できない場合,過量投与に陥り易い 〈高齢〉少量から開始等慎重に.過度の瀉下作用により体液量の減少等を来し,脱水等を起こす

副作用

〈その他〉

1)過敏症(発疹等)

2)消化器(腹痛,腹鳴,腹部膨満感,直腸不快感,肛門部違和感・熱感,残便感等)

3)循環器(血圧変動)

作用

直腸内の水分を吸収することに伴う刺激作用により腸管の蠕動を亢進させ,また浸透作用により糞便を軟化,潤滑化させることにより排泄させると考えられる

構造式

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