診療支援
薬剤

次硝酸ビスマス新様式
2315
bismuth subnitrate
次硝酸ビスマス(各社)
 

適応

下痢症

用法

1日2g 分2~3(増減) 注意精神神経系障害が現れるので長期連続投与を避け,やむを得ない場合は,原則として1ヵ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与に留める

禁忌

1)慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍(ビスマスの吸収による副作用)

2)出血性大腸炎

注意

〈適用上〉

①浣腸には使用しない

②服用により便の色が黒くなることがある(ビスマスが黒色の硫化ビスマスになる為)

患者背景

〈合併・既往〉

①細菌性下痢:不可(やむを得ない場合を除く)(治療期間の延長を来す)

②便秘(下痢症を適応とする為,症状悪化)

③結腸瘻造設術,回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を施行

④消化管憩室(ビスマスが吸収され易い為,血液中に移行する量が多くなる)

〈妊婦〉有益のみ(投与する場合は,投与量,投与期間等に注意) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(投与量,投与期間等に注意して投与) 〈小児〉投与量,投与期間等に注意して投与.臨床試験は未実施 〈高齢〉減量等注意

過量投与

〈症状〉

1)臭い口臭,口内炎と歯肉炎,金属味,食欲不振,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,頭痛,不快感と脱力感,発熱,リウマチ様疼痛,蕁麻疹,落屑性皮膚炎,歯肉の黒色線条及び頬粘膜の黒色斑点,血圧低下,腎障害(近位尿細管障害,腎不全),肝障害

2)小児に次硝酸ビスマスを大量投与した結果,メトヘモグロビン血症を起こして死亡した例がある

〈処置〉以下の治療が望ましい

1)下剤:硫酸マグネシウム(30g→水200mL)又はクエン酸マグネシウム(34g→水200mL)の投与

2)輸液(肝保護剤を加える)

3)キレート剤(重症の場合のみ):ジメルカプロールの筋注(1回投与量2.5mg/kg)

a)〔中等症まで〕初日,6時間毎に4回,2日目以降6日間1日1回投与

b)〔重症〕最初の2日間は4時間毎に1日6回,3日目は1日4回,以後回復するまで毎日2回投与

c)(注意) 腎機

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?