適応
1粘液水腫,クレチン症,甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)
2慢性甲状腺炎,甲状腺腫
用法
初回量:1日5~25μg 1~2週間隔で少しずつ増量 維持量:1日25~75μg ►年齢,症状により増減
禁忌
新鮮な心筋梗塞(心負荷が増大し病態悪化)
注意
〈基本〉甲状腺機能低下症及び粘液水腫には,少量から開始し,漸次増量して維持量とする.本剤は他の甲状腺ホルモン製剤より効果の発現が早く持続が短い点を考慮
〈妊婦〉妊A有益のみ(未確立) 〈高齢〉注意(少量から開始,通常より長期間かけて増量,維持量は最少必要量)
相互
〈併用注意〉
1)クマリン系の抗凝血薬(ワルファリン等)の作用増強→プロトロンビン時間等を測定しながらクマリン系抗凝血薬の用量を調節する等慎重に(甲状腺ホルモンがビタミンK依存性凝固因子異化を促進)
2)交感神経刺激薬(アドレナリン,ノルアドレナリン,エフェドリン・メチルエフェドリン含有製剤)の作用増強→冠動脈疾患の患者で冠不全のリスク増大の恐れ,慎重に(心臓のカテコールアミンに対する感受性が増大)
3)強心配糖体製剤の血中濃度をモニターするなど慎重に(吸収,腎排泄,分布容積,血中半減期或いは心筋の反応性の変化が関与)
4)血糖降下薬:血糖コントロールの条件が変化→血糖値,患者の状態を観察しながら両剤の用量を調節する等慎重に(甲状腺ホルモンはインスリンの分泌,肝での糖新生,末梢組織での糖の取り込み等糖代謝系全般にわたって作用し,血糖値を変動)
5)コレスチラミン,コレスチミド,鉄剤,アルミニウム含有制酸剤,炭酸カルシウム,炭酸ランタン,セベラマーとの同時投与で本剤の吸収遅延・減少→投与間隔をできる限りあける等慎重に(本剤が上記の薬剤と結合し,腸管吸収が低下)
6)フェニトイン製剤,カルバマゼピン,フェノバルビタール:血中濃度低下→本剤を増量等慎重に(フェニトインが甲状腺ホルモンの異化を促進