適応
以下の疾患におけるアルドステロン及びヒドロコルチゾン分泌過剰状態の改善並びにそれに伴う諸症状の改善
1特発性アルドステロン症
2手術適応とならない原発性アルドステロン症及びクッシング症候群
注意2下垂体性ACTH過剰分泌によるクッシング症候群の患者には,原疾患に対する治療も考慮
用法
初期量:1日240mg 分3~4 維持量:1日240~480mg 分3~4 ►年齢,症状により増減
禁忌
妊婦・妊娠
注意
〈基本〉
①血中コルチコステロイド等の濃度をモニターすることが望ましい
②副腎不全が起こる可能性→副腎ステロイド補充
〈その他〉初回投与時に大量投与した場合,副作用発生の可能性が高いとの報告
患者背景
〈合併・既往〉副腎皮質機能低下(副腎皮質機能の低下を助長) 〈腎〉重篤な腎障害(代謝,排泄能の低下により作用が増強) 〈肝〉重篤な肝障害(代謝,排泄能の低下により作用が増強) 〈生殖〉妊娠していないことを十分確認.投与中は非ホルモン法による避妊
〈妊婦〉禁忌(妊婦において血中プロゲステロン低下を来す報告.動物で胎児毒性,妊娠維持能の低下) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(動物で乳汁中へ移行) 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉減量等注意
相互
〈併用注意〉ミトタン:副腎皮質機能抑制作用増強(ミトタンは副腎皮質細胞毒性及びステロイド合成阻害作用がある)
副作用
1)肝臓(AST・ALT・Al-P・γ-GTPの上昇等)
2)過敏症(発疹・紅斑,潮紅,瘙痒感等)
3)消化器(悪心・嘔吐,食欲不振,胃・腹部不快感,胸やけ,下痢,口渇等)
4)その他(倦怠感,眠気,脱毛,関節痛)
動態
Tmax:1~2時間後
作用
アルドステロン及びヒドロコルチゾン生合成過程における酵素の一つ3-β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を特異的かつ競合的に阻害することにより,アルドステロン及びヒドロコルチゾンの分泌過剰を抑制するとされる