診療支援
薬剤

リトドリン塩酸塩新様式
259
ritodrine hydrochloride
ウテメリン Utemerin(キッセイ)
 :5mg :50mg/5mL/A
リトドリン塩酸塩(5  あすか),リトドリン塩酸塩(5 1% 各社)

適応

切迫流・早産 緊急に治療を必要とする切迫流・早産 注意

1)投与対象は,入院治療等緊急を要する切迫流・早産患者.子宮収縮,頸管の開大・展退,出血等の程度を総合的に判断して使用を決定.緊急状態を離脱した後は安全性を勘案しつつ使用し,不必要な投与は避ける

2)頸管の開大が5cm以上の症例に関する安全性及び有効性未確立

3)妊娠35週以下又は推定胎児体重2,500g未満の切迫流・早産に使用することが望ましい

用法

1回5mg 1日3回(増減) 50mgを5%ブドウ糖液又は10%マルトース液500mLに希釈し,毎分50μgから点滴静注を開始し,子宮収縮抑制状況及び母体心拍数等を観察しながら増減.子宮収縮抑制後は漸次減量し,毎分50μg以下の速度を維持し,収縮の再発がみられないことが確認された場合は中止 有効用量:毎分50~150μg ►毎分200μgを超えない

禁忌

1)強度の子宮出血,子癇,前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例,常位胎盤早期剥離,子宮内胎児死亡,その他妊娠の継続が危険と判断される患者(妊娠継続が危険と判断)

2)重篤な甲状腺機能亢進症(増悪)

3)重篤な高血圧症(過度の昇圧)

4)重篤な心疾患(心拍数増加等により症状が増悪)

5)重篤な糖尿病(過度の血糖上昇)

6)重篤な肺高血圧症(肺水腫)

7)妊娠16週未満の妊婦

8)重篤な過敏症

注意

〈基本〉

①肺水腫は心疾患,妊娠高血圧症候群の合併,多胎妊娠,副腎皮質ホルモン薬併用時等に発生し易いとの報告→水分の過負荷を避け,観察.水分の過負荷を避けるには,薬剤濃度を上げて注入液量を減らすことが効果的(シリンジポンプの使用により,薬剤濃度を3mg/mLまで上げることができる.この場合,注入速度1mL/時で毎分50μgの初期注入薬量が得られ,水分の負荷は通常用法の1/30)

②投与直後に帝王切開術を行うと,循環動態の大きな変動により心不全

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