診療支援
薬剤

合剤新様式
3259
エンシュア・H Ensure H(アボット)
 :1缶 250mL(375kcal)
(エンシュア・リキッドの1.5倍の濃度)

適応

一般に手術後患者の栄養保持に使用できるが,特に長期にわたり経口食事摂取が困難で単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤を必要とする以下の患者の栄養補給

1水分の摂取制限が必要(心不全,腎不全を合併患者等)

2安静時エネルギー消費量が亢進(熱傷患者,感染症を合併患者等)

3経腸栄養剤の投与容量を減らしたい(容量依存性の腹部膨満感を訴える患者等)

4経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい(口腔外科や耳鼻科の術後患者等)

用法

標準量:1日1,000~1,500mL(1,500~2,250kcal)(増減) ►経口:1日1回又は数回に分割 ►経管:50~100mL/hr ►消化吸収障害がなく投与時間の短縮が望ましい患者には400mL/hrの速度まで上げることができる

禁忌

1)過敏症

2)牛乳蛋白アレルギー(牛乳由来のカゼイン含有→ショック,アナフィラキシー)

3)蛋白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎,ネフローゼ,腎不全末期(病態悪化)

4)嘔気,嘔吐,下痢を合併している心不全(病態悪化)

5)妊娠3カ月以内及び妊娠を希望する女性へのVA5,000IU/日以上の投与

注意

〈基本〉

①本剤は1.5kcal/mLに調製されているため,低濃度(1kcal/mL以下)の他の経腸栄養剤を投与し,下痢等の副作用が発現しないことを確認.消化吸収障害のない患者では当初から本剤を投与してもよい

②ビタミン,電解質及び微量元素の不足を生じる可能性→必要に応じて補給〔長期投与中,セレン欠乏症(心機能低下,爪白色変化,筋力低下等)の報告〕

〈適用上〉

投与時

a)経管投与には2mm以上のチューブを使用

b)経管投与の場合,可塑剤であるDEHP〔フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕が製剤中に溶出する恐れ→DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい

c)静脈内投与禁

d)標準速度は5

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