適応
一般に手術後患者の栄養保持に使用できるが,特に長期にわたり経口食事摂取が困難で単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤を必要とする以下の患者の栄養補給
1水分の摂取制限が必要(心不全,腎不全を合併患者等)
2安静時エネルギー消費量が亢進(熱傷患者,感染症を合併患者等)
3経腸栄養剤の投与容量を減らしたい(容量依存性の腹部膨満感を訴える患者等)
4経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい(口腔外科や耳鼻科の術後患者等)
用法
標準量:1日1,000~1,500mL(1,500~2,250kcal)(増減) ►経口:1日1回又は数回に分割 ►経管:50~100mL/hr ►消化吸収障害がなく投与時間の短縮が望ましい患者には400mL/hrの速度まで上げることができる
禁忌
1)過敏症
2)牛乳蛋白アレルギー(牛乳由来のカゼイン含有→ショック,アナフィラキシー)
3)蛋白質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎,ネフローゼ,腎不全末期(病態悪化)
4)嘔気,嘔吐,下痢を合併している心不全(病態悪化)
5)妊娠3カ月以内及び妊娠を希望する女性へのVA5,000IU/日以上の投与
注意
〈基本〉
①本剤は1.5kcal/mLに調製されているため,低濃度(1kcal/mL以下)の他の経腸栄養剤を投与し,下痢等の副作用が発現しないことを確認.消化吸収障害のない患者では当初から本剤を投与してもよい
②ビタミン,電解質及び微量元素の不足を生じる可能性→必要に応じて補給〔長期投与中,セレン欠乏症(心機能低下,爪白色変化,筋力低下等)の報告〕
〈適用上〉
①投与時
a)経管投与には2mm以上のチューブを使用
b)経管投与の場合,可塑剤であるDEHP〔フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕が製剤中に溶出する恐れ→DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい
c)静脈内投与禁
d)標準速度は5