適応
慢性腎不全における腹膜透析(代謝性アシドーシスの改善が不十分で,かつ炭酸Ca製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高Ca血症を来す場合)
用法
1回1.5~2Lを腹腔内に注入 4~8時間滞液し,効果期待後に排液除去 以上の操作を1回とし 体液の過剰が1kg/日以下の場合:360LCa液(又は360NL液)のみを1日3~4回連続 体液の過剰が1kg/日以上の場合:400LCa液(又は400NL液)を1~4回処方し,360LCa液(又は360NL液)と組み合わせて,1日3~5回連続 ►注入量,滞液時間,操作回数は,症状,血液生化学値,体液平衡,年齢,体重等を考慮(増減) ►注入及び排液速度は300mL/分以下
禁忌
1)横隔膜欠損(胸腔へ移行し呼吸困難誘発)
2)腹部に挫滅傷又は熱傷(治癒を妨げる恐れ)
3)高度の腹膜癒着(透析効率低下)
4)尿毒症に起因する以外の出血性素因(出血により蛋白喪失が亢進し全身状態悪化)
5)乳酸代謝障害の疑い(乳酸アシドーシス誘発)
6)高度の換気障害(肺に水が貯留)
7)憩室炎(憩室に水が貯留)
8)人工肛門使用(細菌感染の恐れ)
9)高度の脂質代謝異常(高コレステロール血症,高TG血症悪化)
10)高度の肥満(増長)
注意
〈基本〉
①投与開始は,医療機関において医師により,又医師の直接の監督により実施.通院,自己投与は医師がその妥当性を検討し,教育訓練を施した後,医師の管理指導の下に実施
②腹膜炎合併→無菌的操作により行うと共に以下の点に注意
a)腹膜カテーテルの管理,カテーテル出口部分の状態に注意
b)排液の混濁状態を確認(腹膜炎の発生で混濁)
③長期の腹膜透析によって被嚢性腹膜硬化症(EPS)を合併→発症が疑われたら直ちにCAPDを中止し血液透析に変更.発症後はIVH高カロリー輸液を主体とした栄養補給を行い腸管の安静を保つ.嘔吐がある場合は胃チューブにより胃液を持続吸引.