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人工腎臓用透析液(一覧表)(概要)

人工腎臓用透析液 希釈後電解質濃度(mEq/L)・組成(w/v%)一覧

人工腎臓用透析液【注意】共通事項

1.透析用希釈用水:軟水化装置(純水装置),逆浸透装置及び各種のフィルターを用いて注射用水(エンドトキシン0.25EU/mL以下)と同レベル以上になるよう水処理を行う(キンダリー®).希釈する水は,脱イオン水が望ましいが,水道水等を用いる場合は,水道水中のCa等の濃度を十分考慮に入れて使用すること.Ca濃度が0.5mEq/Lを超えるような場合は,軟水化装置(イオン交換樹脂)等による軟水又は脱イオン水を用いることが望ましい(AK-ソリタ®).

2.溶解希釈時

(1)A剤,B剤よりなる製剤は,それぞれ溶解後,混合・希釈し透析液として使用する.単独では使用しない.

(2)両液の濃厚液は直接混合しない→沈殿を生成する.

(3)希釈濃度が不正確な場合は,以下のような症状を起こすことあり→注意.

a)濃度が高すぎた場合:頭痛,心悸亢進,血圧上昇,意識障害.

b)濃度が低すぎた場合:四肢のしびれ感,全身倦怠,胸内苦悶,急激な血圧低下,意識障害.

(4)透析液の電解質濃度を測定し,適正であることを確認する.

(5)透析液の浸透圧比が0.95~1.00の範囲にあることを確認する→浸透圧比は生食液の浸透圧(理論値308mOsm)に対する透析液の浸透圧測定値の比より求める.

(6)透析液のpHは透析用希釈用水等の影響で若干の変動があり→pH7.2~7.4の範囲内にあることを確認する.

(7)溶解・希釈調製後は速やかに使用.不溶性の異物を認めた透析液は使用しない.

(8)炭酸水素ナトリウム溶液の残液は使用しない.

3.使用時

(1)本剤は注射又は腹膜灌流に用いない.

(2)透析患者の血清浸透圧は,高窒素血症のため高値を示すのが普通であるから,血液側の陽圧で,透析液浸透圧とのバランスを保つ.

(3)透析液中の沈殿の有無を透

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