適応
慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液
用法
A液:(B末水溶液+希釈水)=1:34 1回150~300L ►B末を精製水又は注射用水に溶かし,炭酸水素Na882gに対応する容量をとり,これにA液10L及び水を加えて350Lとする
注意
①炭酸水素Naを含む透析液であるので,以下の場合に使用
a)酢酸濃度の高い透析液では,代謝性アシドーシスの改善が不十分な場合
b)酢酸濃度の高い透析液では,不均衡症候群,血圧低下等のため,血液透析療法の持続又は管理の困難な場合
c)酢酸濃度の高い透析液では,十分な除水(体重維持)ができない場合
②ブドウ糖を含まない透析液であるので,糖代謝異常による高血糖患者で,ブドウ糖を含む透析液の使用では,良好な血糖コントロールが困難な場合に使用.
以下,人工腎臓用透析液【注意】共通事項参照→.希釈後pH7.2~7.4
〈小児〉未確立
慎重
1)高度の肝障害又は重症糖尿病等による酢酸代謝障害
2)カロリー補給不十分,糖尿病のため食事制限を受けているか,又は血糖降下薬使用中(ブドウ糖を含まないため低血糖症状)
3)透析前の血清Caが正常値以上を示し,かつ血清リンが著しく高値を示す患者(異所性石灰沈着症)
4)ジギタリス配糖体製剤投与中(血清K値低下によるジギタリス中毒発症)
副作用
1)低血糖(透析中或いは透析後に低血糖)→ブドウ糖液の投与,糖分の補給等,直ちに処置
2)高Ca血症(血中Ca濃度の上昇)
3)Ca代謝異常
a)(骨粗鬆症,骨軟化症,線維性骨炎等の骨合併症)→活性型ビタミンD3製剤の投与等処置
b)(異所性石灰沈着症)→P吸着剤の投与により血清P値を正常範囲内に維持する等処置
4)不均衡症候群(頭痛,悪心・嘔吐,痙攣,意識混濁,不快,倦怠感等)→透析効率を下げる等処置
5)循環器
a)循環血液量の急激な減少による低血圧,ショック症状→透析を中止するか,又は透析効率を下げ,輸液剤,昇圧