適応
慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液(無糖の透析液では,血糖値管理の困難な患者及び他の重炭酸型透析液では,高K血症,高Mg血症の改善が不十分な場合,又は高Ca血症を起こす恐れのある場合)
用法
B液1容に対し(DPは11.5Lの水溶液としておく)水26容を加えて希釈し,この希釈液34容にA液1容を加えて用いる 1日150~300L
注意
①炭酸水素Naを含む透析液であるので,以下の場合に使用
a)酢酸濃度の高い透析液では,代謝性アシドーシスの改善が不十分な場合
b)酢酸濃度の高い透析液では,不均衡症候群,血圧低下等のため,血液透析療法の持続又は管理の困難な場合
c)酢酸濃度の高い透析液では,十分な除水(体重維持)ができない場合
②ブドウ糖を含む透析液であるので,ブドウ糖を含まない透析液では,透析中血糖値の急激な低下等,良好な血糖コントロールの困難な場合に使用
③K,Ca,Mg濃度の低い透析液であるので,次のような場合に使用
a)K,Mg濃度の高い透析液では,高K血症,高Mg血症の改善が不十分な場合
b)活性型ビタミンD3剤等の薬剤の使用中で,血液透析による多量のCa付加を必要とせず,Ca濃度の高い透析液では,高Ca血症を起こす恐れのある場合
④A剤とB剤とを混合希釈した透析液は,調製後速やかに使用
⑤注射又は腹膜灌流に用いない
⑥B剤の希釈濃度が高過ぎた場合は,急性代謝性アルカローシスを起こし,テタニー,意識障害,精神障害,呼吸抑制,悪心・嘔吐等が現れる.
以下,人工腎臓用透析液【注意】共通事項参照→.希釈後pH7.2~7.4
〈小児〉未確立 〈妊婦〉有益のみ(未確立)
慎重
1)高度の肝障害又は重症糖尿病等による酢酸代謝障害
2)ジギタリス配糖体製剤投与中(血清K値低下によるジギタリス中毒発症)
副作用
1)K代謝異常(低K血症)→低K血症を起こした患者は次回からK濃度の高い透析液を使用
2)血糖
a)低血糖