適応
1放射性セシウムによる体内被曝の減少
2タリウム及びタリウム化合物による中毒
用法
1回6カプセル(ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)水和物として3g) 1日3回 経口 ►患者の状態,年齢,体重を考慮(増減) 注意1
①治療開始後は糞便中及び尿中,又は全身の放射能をシンチレーションカウンタ等で適宜測定し,本剤の投与継続の必要性を検討
②ゴイアニア事故における本剤の投与量を参考に,用量及び投与回数を適宜増減
2臨床症状による他,必要に応じて血中,尿中又は糞便中のタリウム量を測定し,投与継続の必要性を検討
禁忌
[過敏症]
注意
〈基本〉
①投与中は定期的に血清K濃度の検査を行い,必要に応じてKを補充等適切な処置
②本剤の服用により体内で遊離した鉄が吸収され,蓄積される可能性があるため投与中は血清フェリチン等の推移を適宜確認することが望ましい
③便秘を呈する場合は本剤の効果が十分得られない可能性,排便状態を確認し,必要に応じて下剤等の使用を考慮
〈適用上〉
➊投与時:本剤の服用により,便が青みを帯びる場合がある.又,便の変色により血便等の発現を見逃す恐れ→注意
➋投与後:排泄物等の取扱いについて,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に処理(放射性セシウムと結合した本剤は主に糞便中に排泄されるため,本剤投与中の患者の糞便中には放射性セシウムが高濃度に含まれる可能性)
患者背景
〈合併・既往〉
①不整脈又は電解質異常(低K血症により症状が増悪)
②消化管の蠕動運動の障害(本剤と結合した放射性セシウムが消化管局所に滞留することで放射線障害を発現する恐れ)
③鉄代謝異常(長期投与により本剤に含まれる鉄が蓄積する恐れ)
〈妊婦〉有益のみ 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉慎重に
相互
〈併用注意〉
1)副腎皮質ホルモン製剤,グリチルリチン製剤,利尿剤はKの排泄
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