バカンピシリン塩酸塩《ペングッド》 | 医学書院

適応

〈適応菌種〉アンピシリンに感性のブドウ球菌属，レンサ球菌属，肺炎球菌，腸球菌属，淋菌，大腸菌，プロテウス・ミラビリス，インフルエンザ菌　〈適応症〉表在性皮膚感染症，深在性皮膚感染症，リンパ管・リンパ節炎，慢性膿皮症，外傷・熱傷及び手術創等の二次感染，乳腺炎，咽頭・喉頭炎，扁桃炎，急性気管支炎，肺炎，慢性呼吸器病変の二次感染，膀胱炎，腎盂腎炎，淋菌感染症，腹膜炎，子宮内感染，子宮付属器炎，眼瞼膿瘍，麦粒腫，角膜炎(角膜潰瘍を含む)，中耳炎，副鼻腔炎，歯周組織炎，歯冠周囲炎，抜歯創・口腔手術創の二次感染，猩紅熱　注意咽頭・喉頭炎，扁桃炎，急性気管支炎，中耳炎，副鼻腔炎への使用にあたっては，「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し，抗菌薬投与の必要性を判断した上で，本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること

用法

1日500～1,000mg　分3～4(増減)　小児1日15～40mg/kg　分3～4(増減)

禁忌

1)過敏症

2)伝染性単核症(発疹発現頻度高める)

注意

〈基本〉

①使用にあたり耐性菌の発現等を防ぐため，原則として感受性を確認し，疾病の治療上必要な最小限の期間の投与に留める

②ショックの恐れ→十分な問診

③急性腎障害が発現→定期的に検査

〈検査〉ベネディクト，フェーリング試薬による尿糖検査で，偽陽性を呈する恐れ　〈適用上〉

➊食道に停留し崩壊すると，稀に食道潰瘍を起こす→多めの水で服用させ特に就寝前の服用等に注意

〈その他〉アンピシリンとアロプリノールとの併用で発疹の発現増加の報告

患者背景

〈合併・既往〉

①ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし，本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には禁忌)

②本人又は両親，兄弟に気管支喘息，発疹，蕁麻疹等のアレルギー反応を起こし易い体質

③経口摂取不良又は非経口栄養，全身状態の悪い患者(VK欠乏症状出現)

〈腎〉高度の腎障害(