適応
〈適応菌種〉パラアミノサリチル酸に感性の結核菌 〈適応症〉肺結核及びその他の結核症
用法
1日10~15g 分2~3 ►他の抗結核薬と併用することが望ましい
禁忌
高Ca血症(本剤はCa塩であり,本剤投与により症状を悪化させる恐れ)
注意
〈基本〉
①使用にあたり耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与に留める
②本剤を含む抗結核薬による治療で,薬剤逆説反応あり.治療開始後に,既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は,薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断
患者背景
〈合併・既往〉
①血液障害(悪化)
②薬物過敏症の既往歴
〈腎〉
①腎障害(悪化)
②腎障害のある患者にAlを含有する製剤を長期投与することによりアルミニウム脳症,アルミニウム骨症等の報告→定期的に血中のAl,P,Ca,Al-P等測定
〈肝〉肝障害(悪化)
〈妊婦〉非推奨(アミノサリチル酸製剤とイソニアジドを併用投与されている患者で,奇形児の出現率が高いとする疫学的調査結果あり) 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(母乳中へ移行) 〈高齢〉減量等注意
相互
〈併用注意〉
1)経口抗凝血薬(ワルファリン,ジクマロール)の抗凝血作用増強(肝のプロトロンビン形成抑制作用)→抗凝血薬を減量等
2)フェニトインの血中濃度が上昇し,作用増強(フェニトインの代謝酵素CYPを阻害)→フェニトインを減量等
副作用
〈重大〉いずれも頻度不明
1)無顆粒球症,溶血性貧血
2)肝炎,黄疸等
3)低P血症〔持続的な低P血症による骨症状(骨軟化症等)の報告〕
〈その他〉中止等処置
1)過敏症(発熱,皮膚症状)
2)血液(白血球減少,血小板減少)
3)甲状腺(甲状腺機能障害又は甲状腺腫)
4)肝臓(AST・ALTの上昇)
5)腎臓(蛋白尿)
6)消化器(食欲不振,悪心,胃部不快感,下痢)
動態
Tmax:約4時間(ヒト,4g,経口)