適応
B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制 注意
1)投与開始に先立ち,HBV-DNA,DNAポリメラーゼ或いはHBe抗原により,ウイルスの増殖を確認
2)無症候性キャリア及び他の治療法等により肝機能検査値が正常範囲内に保たれている患者は対象とはならないので注意
3)投与終了後に肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化が認められた場合は,本剤による再治療又は既存療法が考えられるが,その有益性に関しては限られたデータしかない
用法
1回100mgを1日1回 注意
①アデホビル ピボキシルを併用する場合には,本剤投与中にB型肝炎ウイルスの持続的な再増殖を伴う肝機能の悪化が確認された患者のみに併用投与する
②投与中にYMDD変異ウイルス(DNAポリメラーゼの活性中心のアミノ酸配列がYMDDからYIDD又はYVDDに変異したウイルスで,本剤への感受性が低下するため,抗ウイルス効果は期待できない)が現れた場合,本剤の投与を中止すると,それまで増殖を抑制されていた野生型ウイルスの再出現を招くので,一般的には,野生型ウイルスを抑制するため本剤による治療を継続することが有益である.しかし,一部の症例では投与中にYMDD変異ウイルスの増殖により肝機能が悪化することがあるので,観察を十分に行い,注意しながら投与を継続する.本剤の投与を継続しても,YMDD変異ウイルスにより肝炎の症状が治療前の状態より悪化するなど,治療上の有益性が失われた場合には,アデホビル ピボキシルとの併用あるいは本剤の投与中止を考慮
③投与中に以下の状態に至った場合には投与終了を検討可
a)HBe抗原陽性では,HBe抗原からHBe抗体へのセロコンバージョン(HBe-SC)が持続した場合
b)HBe抗原陰性では,HBs抗原の消失或いはALTの正常化を伴うHBV-DNAの陰性化が6カ月以上持続