適応
腸管アメーバ症 注意本剤は腸内原虫及びシスト(嚢子)に対してのみ活性を有するため,腸管外アメーバ症の治療に使用しない
用法
1回500mg,1日3回,1日1,500mg10日間,食後に経口
禁忌
1)イレウス(腸閉塞)(症状が悪化)
2)過敏症(本剤,アミノグリコシド系抗菌薬,バシトラシン)
注意
〈基本〉
①消化管から殆ど吸収されないが,一般にアミノグリコシド系抗菌薬では回転性めまい,難聴等の第8脳神経障害の発現があるので慎重に投与.特に腎機能障害患者,高齢者,腸病変を有する患者では血中濃度が高まる可能性が考えられ,聴力障害の危険性がより大きくなるので,聴力検査を実施することが望ましい.アミノグリコシド系抗菌薬の聴力障害は,高周波音に始まり低周波音へと波及するので,障害の早期発見のために,聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用
②治療中又は治療後に重篤な下痢が持続の際は,抗生物質に関連する偽膜性大腸炎の発現の可能性→中止等処置
➌治療効果を確実に得るために,必ず10日間服用するよう十分指導
④腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行う
患者背景
〈合併・既往〉
①便秘,消化管潰瘍等の腸病変(想定されない本剤の消化管吸収が生じ,血中濃度が高まる可能性)
②重症筋無力症(神経筋遮断作用により症状が悪化)
③前庭器官又は蝸牛器官に損傷,難聴(めまい,耳鳴,難聴等の第8脳神経障害の副作用が強く発現)
④経口摂取の不良又は非経口栄養患者,全身状態の悪い患者(VK欠乏症状あり)
〈腎〉微量に吸収された本剤の排泄が滞り,血中濃度が高まる可能性 〈生殖〉避妊(女性)
〈妊婦〉有益のみ(全身への影響を完全に否定できないため,初期胚発生への影響,妊娠初期の胎児毒性・催奇性のリスク,並びに妊娠中期及び後期の胎児毒性のリスクを否定できない.妊娠の全期間中,聴覚の中毒性障害が起きる可能性)