診療支援
薬剤

三酸化二ヒ素(亜ヒ酸)新様式EH
4291
arsenic trioxide
トリセノックス Trisenox(日本新薬)
 :10mg/10mL/A 点滴静注:12mg/6mL/V

適応

再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病 注意染色体検査〔t(15;17)転座〕又は遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)により急性前骨髄球性白血病と診断された患者に使用.本剤により完全寛解を得た後に再発した急性前骨髄球性白血病に対して,本剤の有効性・安全性は未確立

用法

0.15mg/kgを5%ブドウ糖液或いは生食液に混合して100~250mLとし,1~2時間かけて投与 〔寛解導入療法〕骨髄寛解が得られるまで1日1回静脈内投与.合計投与回数は60回を超えない 〔寛解後療法〕寛解が得られた場合には,寛解導入終了後3~6週間後に開始.5週間の間に1日1回,計25回静脈内投与 注意

①投与に際し,5%ブドウ糖液或いは生食液に混合して使用し,他の薬剤又は輸液と混合しない

②本剤投与時に,急性の血管収縮・拡張に伴う症状(低血圧,めまい,頭部ふらふら感,潮紅,頭痛等)が認められた場合には4時間まで投与時間を延長可

③寛解後療法の用法・用量を複数回繰り返し(本剤の25回を超える投与)実施した場合の有効性・安全性は未確立

!警告

1)本剤による治療は危険性を伴うため,原則として,投与期間中は患者を入院環境で医師の管理下に置く.又,緊急医療体制の整備された医療機関において白血病〔特に急性前骨髄球性白血病(APL)〕の治療に十分な知識と経験を持つ医師の下で治療を行う

2)本剤はQT延長,完全房室ブロック等の不整脈を起こすことがある.QT延長は致命的となり得るtorsades de pointes(TdP)タイプの心室性不整脈を引き起こすことがあるので失神や頻脈等の不整脈が認められた場合には,休薬し,症状によっては投与中止も考慮.投与開始前には12誘導心電図を実施し,血清電解質(K,Ca,Mg)及びCrについて検査.電解質異常が認められている場合には是正し,QT延長を来す併用薬剤の投与を避ける.本剤投与中は12

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