タクロリムス水和物《タリムス》 | 医学書院

適応

春季カタル(抗アレルギー剤が効果不十分な場合)　注意眼瞼結膜巨大乳頭の増殖が認められ，抗アレルギー剤により十分な効果が得られないと判断した場合に使用

用法

用時よく振り混ぜた後，通常，1回1滴を1日2回点眼

禁忌

1)過敏症

2)眼感染症(免疫抑制により感染症が悪化の可能性)

注意

〈基本〉

①春季カタルの治療法に精通している医師の下で使用

②投与により感染症が発現又は増悪あり→他の免疫抑制作用を有する薬剤との併用時には，その可能性が更に高まる恐れ→十分注意

〈適用上〉

➊薬剤交付時

a)キャップをしたままよく振ってから点眼

b)点眼時，容器の先端が直接目に触れないように注意

c)閉瞼して結膜嚢内に点眼し，1～5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫

d)点眼時，液が眼瞼皮膚等についた場合は，すぐに拭き取るよう指導

e)他の点眼剤を併用の際は，少なくとも5分間以上の間隔をあけて点眼

f)使用後，眼部熱感，眼刺激等が高頻度

g)容器本体のフィルム(キャップ部分は含まない)を取り除かないよう注意(遮光性のあるフィルムにより，製品の品質を保持)

患者背景

〈合併・既往〉緑内障→投与中は定期的に眼圧検査実施(眼圧上昇の恐れ)

〈妊婦〉妊C有益のみ(動物の経口で催奇形作用，胎児毒性，ヒトで胎盤通過の報告)　〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止(母乳中へ移行する可能性)　〈小児〉低出生体重児，新生児，乳児又は6歳未満の小児の臨床試験は未実施　〈高齢〉生理機能が低下している

副作用

〈その他〉

1)過敏症(接触性皮膚炎)

2)眼〔眼の異常感(眼部熱感，眼の異物感，眼の違和感)：21.4％，眼刺激：21.4％，眼精疲労，眼乾燥，流涙増加，眼脂，眼痛，眼充血，羞明，点状角膜炎，眼瘙痒症，眼部不快感，上眼瞼重圧感，眼瞼瘙痒症，眼瞼浮腫，眼瞼炎，霰粒腫，瞼板腺炎，結膜充血，結膜浮腫，結膜炎，結膜びらん，結膜沈着物，角膜びらん，角膜潰瘍，角膜混濁，前房の