(合剤)ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩《コソプト》

適応

以下の疾患で，他の緑内障治療薬が効果不十分な場合：緑内障，高眼圧症　注意単剤での治療を優先

1回1滴，1日2回点眼

1)気管支喘息，又はその既往歴，気管支痙攣，重篤な慢性閉塞性肺疾患(β受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により，喘息発作の誘発・増悪)

2)コントロール不十分な心不全，洞性徐脈，房室ブロック(Ⅱ，Ⅲ度)，心原性ショック(β受容体遮断による陰性変時・変力作用により，これらの症状を増悪)

3)過敏症

4)重篤な腎障害(ドルゾラミド及びその代謝物は主に腎より排泄→体内に蓄積)

〈基本〉

①全身的に吸収され，β遮断剤又はスルホンアミド系薬剤の全身投与時と同様の副作用→注意．特に，重篤な副作用もしくは過敏症状の際は投与中止

②縮瞳剤からチモロール製剤に切り替えた場合，縮瞳作用の消失に伴い，屈折調整を必要とすることがある

〈適用上〉

➊交付時

a)本剤含有のベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着→点眼前にレンズを外し，点眼後少なくとも5～10分間隔をあけて再装着

b)薬液汚染防止のため，点眼の時，容器の先端が眼やまわりの組織に触れないように注意

c)患眼を開瞼し結膜嚢内に点眼し，1～5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫した後開瞼

d)他の点眼剤と併用の際は少なくとも5分間の間隔をあけて投与

〈合併・既往〉

①肺高血圧による右心不全(増悪)

②うっ血性心不全(増悪)

③糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシス(アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強)

④コントロール不十分な糖尿病(低血糖症状をマスク→血糖値に注意)

⑤眼内手術の既往等(角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫増加の可能性)

⑥急性閉塞隅角緑内障(薬物療法以外に手術療法等を考慮)

〈腎〉重篤な腎障害：禁忌(ドルゾラミド塩酸塩及び代謝物は主に腎排泄→体内に蓄積の恐れ)　〈肝〉肝機能障害(臨床試験は未実施)

〈妊婦〉妊C有益の