適応
以下の疾患又は状態における頻尿,尿意切迫感,尿失禁:神経因性膀胱,不安定膀胱(無抑制収縮を伴う過緊張性膀胱状態)
用法
1回2~3mg1日3回(増減)
禁忌
1)明らかな下部尿路閉塞症状である排尿困難・尿閉等(悪化)
2)閉塞隅角緑内障(抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状を悪化)
3)重篤な心疾患(抗コリン作用により頻脈,心悸亢進を起こし心臓の仕事量が増加)
4)麻痺性イレウス(抗コリン作用により胃腸管の緊張,運動性は抑制され,胃腸管内容物の移動は遅延するため,閉塞状態が強められる恐れ)
5)衰弱患者又は高齢者の腸アトニー又は重症筋無力症(抗コリン作用により悪化)
6)授乳婦
7)過敏症
注意
〈基本〉
➊視調節障害,眠気→運転注意
②抗コリン作用により発汗抑制が起こり外部の温度上昇に対する不耐性が生じて,急激に体温が上昇する恐れ→高温環境下で使用の際は体温の上昇に注意
患者背景
〈合併・既往〉
①排尿困難の恐れのある前立腺肥大(前立腺肥大では,排尿障害を来していない場合でも,抗コリン薬の投与により排尿障害を起こす)
②甲状腺機能亢進症(心拍数の増加等の症状悪化)
③うっ血性心不全(代償性交感神経系の亢進を更に亢進)
④不整脈(副交感神経遮断作用により交感神経が優位に立ち,心拍数の増加等)
⑤潰瘍性大腸炎(中毒性巨大結腸あり)
⑥パーキンソン症候群又は認知機能障害を伴う高齢者(抗コリン作用により,症状の悪化の恐れ)
⑦開放隅角緑内障(抗コリン作用により眼圧が上昇し症状を悪化)
〈腎〉重篤な腎疾患(臨床試験は未実施) 〈肝〉重篤な肝疾患(臨床試験は未実施)
〈妊婦〉妊B1非推奨 〈授乳婦〉禁忌(動物で乳汁中移行) 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉注意(少量から開始等過量にならぬよう)
相互
〈併用注意〉抗コリン薬,三環系抗うつ薬,フェノチアジン系薬剤,MAO阻害薬:口渇,便秘,排尿困難,目のかすみ等の抗コリン作用等が増強