適応
〔スポンジ〕各種外科領域における止血,褥瘡潰瘍 〔フィルム〕脳神経外科,胸部外科,眼科手術後の癒着防止
用法
〔スポンジ〕適当量を乾燥状態のまま,又は生食液かトロンビン溶液に浸し,皮膚或いは臓器の傷創面に貼付し,滲出する血液を吸収させ固着する 〔フィルム〕適当量を生食液に浸して柔軟化させ,適所に被覆又は挿入 ►組織に容易に吸収されるので体内に包埋可
禁忌
1)過敏症
2)〔スポンジ〕血管内(塞栓)
注意
〈基本〉
①視神経及び視束交叉の周囲には慎重に使用(圧迫により視力障害の恐れ)
②殺菌作用をもたない→感染の可能性が高い場合には,適切な処置を考慮
〔ゼルフォーム〕
①凝固障害を伴う出血は,凝固障害に対する処置を行い,本剤は補助的に使用
②特に骨小腔内へは周辺組織の壊死を起こす→回避
〔スポンジ〕
①縫合,結紮等の止血に代わるものではないことに留意
②創面への使用に当たっては癒合を妨げる可能性があるので,必要最小限に使用し過量に使用不可
③膨張による圧迫が正常な機能を妨げる可能性→創腔又は組織の間隙に使用する場合は,詰めすぎないように留意
〈適用上〉
①無菌的に扱う
②血管内,腟内(分娩後出血,月経過多等)には使用不可
③〔ゼルフォーム〕アルミ袋,紙袋,中袋(無地紙袋)の三重包装であり,アルミ袋の内側,紙袋の外側は滅菌されていない→紙袋を取り出した際は,他の滅菌器具等と混在させない
④開封後の未使用分は廃棄
⑤〔スポンゼル〕消毒用アルコール浸漬又は加熱滅菌を回避(外装接着部の剥離,内容の変質の恐れ)
〈その他〉〔ゼルフォーム〕
①鼻腔への使用により,ショック様症候群(ブドウ球菌繁殖によるトキシックショック症候群)の報告
②脳室の近く又は脳脊髄液瘻が起こる可能性がある標的出血部位に使用した際,本剤が中枢神経系の手術部位から脳室へ移動し,脳脊髄液の循環を損ない,水頭症や髄液貯留が現れたとの報告.一部の症例では本剤の使用から