適応
血液凝固第Ⅸ因子欠乏患者の出血傾向を抑制する注意本剤は「乾燥濃縮人血液凝固第Ⅸ因子」であり,「乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体」ではないので,バイパス効果は期待できない→血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビターを有する患者の出血に対しては使用禁
用法
〔ノバクトM〕1回800~1,600国際単位 緩徐に静注(増減) 〔クリスマシンM〕1回400~1,200国際単位 緩徐に静注(増減) ►添付の注射用水で溶解
注意
〈基本〉〔患者への説明〕血漿分画製剤共通事項→ 1.患者への説明参照
①肝炎ウイルス等のウイルス感染の危険性を完全に否定できない→症状が現れた場合には適切な処置
②血中に血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビター発生の恐れ→本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合はインヒビターの発生を疑い,回収率やインヒビターの検査を実施等注意し,適切な処置を実施
③大量投与によりDICを起こす危険性を完全には否定できない→十分に観察
④マウス蛋白質に対する抗体産出の可能性を完全に否定できない→十分に観察
〈適用上〉
①調製時
a)他剤と混注不可
b)溶解した液を注射器に移す場合,フィルターのついたセットを使用
c)一度溶解したものは1時間以内に使用
d)残液は再使用不可
②投与時
a)溶解時に沈殿のあるものは投与不可
b)輸注速度が速すぎるとチアノーゼ,動悸を起こすことがあるため,ゆっくり注入(〔ノバクトM〕5mL/分を超えない速度で注入)
③家庭療法時
a)子供の手の届かない所に保管
b)使用済医療用具等の処理は主治医の指示に従う
〈取扱上〉〔記録の保存〕血漿分画製剤共通事項→ 2.記録の保存参照
患者背景
〈合併・既往〉
①溶血性・失血性貧血(ヒトパルボウイルスB19感染の可能性を否定できない→感染の場合は発熱・急激な貧血を伴う重篤な全身症状)
②免疫不全・免疫抑制状態(ヒトパルボウイルスB19感染の可能性を否定できない→感