診療支援
薬剤

バトロキソビン新様式
3959
batroxobin
デフィブラーゼ Defibrase(東菱)
 点滴静注液:10バトロキソビン単位/1mL/A

適応

1慢性動脈閉塞症(バージャー病,閉塞性動脈硬化症)に伴う虚血性諸症状の改善

2振動病における末梢循環障害の改善

3突発性難聴における聴力の回復並びに自覚症状の改善

用法

1日1回10バトロキソビン単位(BU)を輸液で用時希釈し,隔日に1時間以上かけて点滴静注 ►但し,以下の場合は初回量を20BUとする

①治療前の血中フィブリノゲン濃度が400mg/dL以上の場合

②突発性難聴で急性効果を期待する場合

►投与期間は6週間以内

禁忌

1)出血している患者:血小板減少性紫斑病,血管障害による出血傾向,血友病その他の凝固障害,月経期間中,手術時,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊婦・産褥婦,頭蓋内出血の疑いのある患者等(止血が困難)

2)手術直後(止血が困難)

3)出血する可能性のある患者:内臓腫瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,亜急性細菌性心内膜炎,重症高血圧症,重症糖尿病等(出血)

4)重篤な肝障害・腎障害(本剤の代謝に影響)

5)過敏症

注意

〈基本〉

①血漿フィブリノゲン濃度を低下させるので,出血傾向及び止血遅延の可能性→予め出血の有無を十分確認,治療前に血漿フィブリノゲン濃度及び血小板を含む凝血学的検査等を実施し慎重に投与.投与期間中は少なくとも週1回,同様な検査を実施.臨床症状の観察を適宜実施.出血が疑われた場合は投与を中止し,輸血等処置

②本剤による治療中,動脈や深部静脈を損傷した場合に重篤な血腫を形成することがあるので,星状神経節ブロック,穿刺等の動脈や深部静脈を損傷する可能性のある治療又は検査は避ける.表在静脈穿刺部位での止血遅延が起こることがあるので十分に圧迫止血

➌患者に出血の可能性について理解させ,以下の事項及びその他必要と考えられる注意を与える.外来患者には注意を記載した患者手帳を携帯させる

a)手術や抜歯をする場合は事前に主治医に相談

b)他院や他科受診の際は本剤投与

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