診療支援
薬剤

合成Xa阻害剤/フォンダパリヌクスナトリウム
3339
fondaparinux sodium
アリクストラ Arixtra(サンドP)
 皮下注:1.5・2.5mg/0.3・0.5mL/シリンジ

適応

静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い,次の患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制

1下肢整形外科手術施行

2腹部手術施行 注意腹部手術のうち帝王切開術施行における有効性・安全性は未確立→リスクとベネフィットを十分考慮(使用経験は少ない)

用法

1日1回2.5mg皮下投与 ►尚,腎障害には腎機能の程度に応じて1日1回1.5mgに減量 注意

①皮下注のみ,筋注は不可

②初回投与は手術後24時間経過し,手術創等からの出血がないことを確認後行う.又,投与後に十分観察できるよう夜間等に初回投与しないよう配慮することが望ましい.尚,手術後6時間以内に投与で出血の危険性増大の報告(海外臨床試験)

③初回投与:硬膜外カテーテル抜去或いは腰椎穿刺から少なくとも2時間経過以上.又,初回投与以降にこれらの処置を行う際は,前回投与から十分な時間をあけ,予定した次回の投与の少なくとも2時間以上前に実施

④2回目以降の投与:1日1回ほぼ一定の時刻に投与.投与時刻の変更は前回投与から少なくとも12時間以上の間隔をあける

⑤投与中:臨床症状や超音波検査等により血栓塞栓症の有無を観察.十分な歩行が可能となり静脈血栓塞栓症のリスクが減少するまで継続投与.尚,15日間以上投与の有効性及び安全性は国内臨床試験では未検討

⑥腎障害では血中濃度が上昇し,出血の危険性増大の恐れ(Ccr20~30mL/minでは,1.5mgを1日1回,30~50では2.5mg或いは出血の危険性が高いと考えられる場合には1.5mgを投与)

⑦プロトロンビン時間(PT-INR)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)等の通常の凝固能検査は薬効をモニタリングする指標とはならない(感度が低いため).臨床症状を観察し,出血等がみられた際は中止等処置

!警告

‍ 脊椎・硬膜外麻酔或いは腰椎穿刺等との併用で穿刺部位に血腫が生じ,神経の圧迫による麻痺発現の恐れ.併用の場合

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