適応
1全身麻酔
2全身麻酔の導入
3局所麻酔薬・吸入麻酔薬との併用
4精神神経科における電撃療法の際の麻酔
5局所麻酔薬中毒・破傷風・子癇等に伴う痙攣
用法
チオペンタールNa→参照 但し,麻酔インタビューを除く(チトゾールは静注のみ)
禁忌
1)ショック又は大出血による循環不全,重症心不全(過度の血圧低下)
2)急性間欠性ポルフィリン症(悪化)
3)アジソン病(催眠作用持続,増強,血圧低下,K値上昇)
4)重症気管支喘息(誘発)
5)過敏症(バルビツール酸系薬物)
注意
〈基本〉
➊原則として絶食させておく
②原則として麻酔前投薬を行う
③麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らない
④麻酔の深度は必要な最低の深さにとどめる
⑤麻酔前に人工呼吸できる器具を準備
〈適用上〉
①用法・注射速度は個人差(特に,幼小児,高齢者,虚弱者)を考慮
②静注により血栓性静脈炎の恐れ
③動注は動脈の閉塞,末梢の壊死等の重篤な症状を起こす→絶対に避ける
④皮下には決して投与しない
⑤高アルカリ性であるため,皮下への漏出により壊死を起こす恐れがあるので,漏出注意→漏出時はプロカイン注射液等の局所麻酔剤による浸潤,湿布等の適切な処置
⑥長時間の手術の場合,他の麻酔剤との併用が望ましい
⑦喉頭筋及び副交感神経が過敏状態になることあり→アトロピン・スコポラミン等のベラドンナ系薬剤の前投与が望ましい
⑧鎮痛作用を有さないので必要ならば鎮痛薬を併用
⑨〔イソゾール〕多発性膿疹,膿瘍,多発性筋炎の患者には筋注禁
⑩〔イソゾール〕直腸に炎症のある患者は直腸内注入禁
〈取扱上〉
①溶解後は直ちに使用
②溶解後沈殿を生じたもの,完全に澄明でないものは使用不可
患者背景
〈合併・既往〉
①重症糖尿病(悪化)
②重症高血圧症,低血圧症,重症貧血,低蛋白血症(血圧変動,本剤の作用増強)
③心筋障害,動脈硬化症(血圧降下)
④脳圧上昇時(呼吸抑制や気道閉塞により血中CO2分圧上昇し脳圧