診療支援
薬剤

チアミラールナトリウム新様式
1115
thiamylal sodium
イソゾール Isozol(日医工)
 :0.5g/V
チトゾール Citosol(杏林)
 :0.3・0.5g/V

適応

1全身麻酔

2全身麻酔の導入

3局所麻酔薬・吸入麻酔薬との併用

4精神神経科における電撃療法の際の麻酔

5局所麻酔薬中毒・破傷風・子癇等に伴う痙攣

用法

チオペンタールNa参照 但し,麻酔インタビューを除く(チトゾールは静注のみ)

禁忌

1)ショック又は大出血による循環不全,重症心不全(過度の血圧低下)

2)急性間欠性ポルフィリン症(悪化)

3)アジソン病(催眠作用持続,増強,血圧低下,K値上昇)

4)重症気管支喘息(誘発)

5)過敏症(バルビツール酸系薬物)

注意

〈基本〉

➊原則として絶食させておく

②原則として麻酔前投薬を行う

③麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らない

④麻酔の深度は必要な最低の深さにとどめる

⑤麻酔前に人工呼吸できる器具を準備

〈適用上〉

①用法・注射速度は個人差(特に,幼小児,高齢者,虚弱者)を考慮

②静注により血栓性静脈炎の恐れ

③動注は動脈の閉塞,末梢の壊死等の重篤な症状を起こす→絶対に避ける

④皮下には決して投与しない

⑤高アルカリ性であるため,皮下への漏出により壊死を起こす恐れがあるので,漏出注意→漏出時はプロカイン注射液等の局所麻酔剤による浸潤,湿布等の適切な処置

⑥長時間の手術の場合,他の麻酔剤との併用が望ましい

⑦喉頭筋及び副交感神経が過敏状態になることあり→アトロピン・スコポラミン等のベラドンナ系薬剤の前投与が望ましい

⑧鎮痛作用を有さないので必要ならば鎮痛薬を併用

〔イソゾール〕多発性膿疹,膿瘍,多発性筋炎の患者には筋注禁

〔イソゾール〕直腸に炎症のある患者は直腸内注入禁

〈取扱上〉

①溶解後は直ちに使用

②溶解後沈殿を生じたもの,完全に澄明でないものは使用不可

患者背景

〈合併・既往〉

①重症糖尿病(悪化)

②重症高血圧症,低血圧症,重症貧血,低蛋白血症(血圧変動,本剤の作用増強)

③心筋障害,動脈硬化症(血圧降下)

④脳圧上昇時(呼吸抑制や気道閉塞により血中CO2分圧上昇し脳圧

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