適応
1重症筋無力症の診断
2筋弛緩薬投与後の遷延性呼吸抑制の作用機序の鑑別診断
用法
11回10mg 静注.初めに2mgを15~30秒かけて静注,45秒後に反応をみた上で必要に応じて残りの8mgを静注 21回5~10mgを30~40秒かけて静注.筋弛緩状態が改善されれば非脱分極性ブロック,筋弛緩状態が増強されれば脱分極性ブロックと判定.必要あれば5~10分間以内に同量を反復投与(増減)
禁忌
消化管又は尿路の器質的閉塞(悪化)
注意
〈基本〉
①投与後,徐脈,血圧下降等の過度のコリン作動性反応が認められた場合には,アトロピンを静注
②短時間又は遷延性に抗ChE薬非感受性期を生じることあり→このような場合,感受性が戻るまで減量又は中止
患者背景
〈合併・既往〉
①クリーゼにある重症筋無力症(徐脈,心拍停止の恐れ)
②1過敏症(重症筋無力症であるなしにかかわらず過度のコリン作動性反応が起こりうる→アトロピン0.5~1mgを入れた注射器をすぐ使えるようにしておく)
〈妊婦〉有益のみ 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続又は中止 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉慎重に
過量投与
〈症状〉ムスカリン作用(嘔気,嘔吐,下痢,発汗,気管支及び唾液分泌亢進,徐脈)が現れる.又,気管支分泌亢進による気道閉塞が起こる 〈処置〉
1)ムスカリン作用にはアトロピンを投与
2)気道閉塞には吸引(特に気道切開を行った場合)及びアトロピン投与
3)十分な呼吸を維持し,心機能をモニター.痙攣又ショックが起きた場合は適切な処置
副作用
〈重大〉
1)痙攣
2)呼吸中枢麻痺
〈その他〉
1)精神神経系(頭痛,めまい,流涙,流涎,発汗,低血圧)
2)感覚器(眼調節異常,霧視,視野の歪曲)
3)呼吸器(気管・気管支分泌亢進,声門痙攣)
4)消化器(悪心・嘔吐,胃腸障害,腹部疝痛,下痢)
5)過敏症(過敏症状)
6)その他〔顔面潮紅,不整脈(徐脈),筋力低下〕
作用
ChE阻害作用