1997年に医療用漢方製剤のより一層の適正使用を図ることを目的として,下記の「1.一般的注意」が日本漢方生薬製剤協会による申し合わせ事項として提出された.
1.一般的注意
本剤の使用にあたっては,患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること.なお,経過を十分に観察し,症状・所見の改善が認められない場合には継続投与を避けること.
2.漢方製剤の適正使用について
(薬務公報 平成9年8月21日)
漢方製剤の副作用に関しては,使い方(いわゆる証)の誤りで生じるものと,漢方製剤の薬理学的作用に基づくものに分けられる.したがって,漢方製剤の副作用を減じるためには「証」を理解し,証に従った処方をすることが大切である.今般,漢方製剤の使用上の注意に「患者の証を考慮し投与する」旨の記載を行った.
(1)証について
証の定義は「患者が現時点で呈している病状を陰陽・虚実,気血水,五臓など,漢方医学のカテゴリーで