〔治療の基本方針〕
心内膜炎の診断は修正Duke診断基準による(Clin Infect Dis 30:633-638,2000).抗菌薬開始前に静脈血培養を行う(最低3セット).重症例(急性)では,血液培養後すぐに抗菌薬を開始する.心内膜炎による心不全がある場合,動揺性の10mmを超える大きなvegetationのある場合は早急に外科治療を行う.亜急性例では,原因菌判明後に抗菌薬投与を開始しても重症に陥りにくい.治療として原因菌を死滅させ再発を防ぐために,自己弁か人工弁に基づき殺菌的な抗菌薬が選択され,エンピリック治療が行われる.
感染性心内膜炎は一度発症すると重篤な結果を招くので,わが国では基礎心疾患別リスクと手技に関して予防的抗菌薬の投与が推奨されている(日本循環器学会「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」を参照).
〔治療の目標〕
細菌学的治癒,合併症(脳塞栓,心不全など)