〔治療の基本方針〕
A.血管炎:大動脈およびその基幹動脈,冠動脈,肺動脈に生じる特異的炎症による諸症状からなる症候群であり,まず炎症をコントロールすることが基本である.
B.血管病変・大動脈弁閉鎖不全:臓器血流障害改善と動脈瘤破裂予防,大動脈弁逆流に伴う心不全予防が目的である.炎症がない時期(非活動期)か薬物治療により炎症を抑えたうえで行う必要がある.
〔臨床分類〕
血管病変による分類が用いられる.
Ⅰ型:大動脈弓分岐血管
Ⅱa型:上行大動脈.大動脈弓ならびにその分岐血管
Ⅱb型:Ⅱa病変+胸部下行大動脈
Ⅲ型:胸部下行大動脈,腹部大動脈,腎動脈
Ⅳ型:腹部大動脈,かつ/または腎動脈
Ⅴ型:Ⅱb型+Ⅳ型
〔重症度〕
Ⅰ度:高安動脈炎と診断しうる自覚的(脈なし,頸部痛,発熱,めまい,失神発作など),他覚的(炎症反応陽性,上肢血圧左右差,血管雑音,高血圧など)所見が認められ,かつ血管造影(CT,MRI,MRA,FD