〔治療の基本方針〕
1)慢性肝炎の原因は多いが,一般に肝炎ウイルスや自己免疫に起因するものを指す
2)かつては病因が解明されなかったため,炎症の鎮静化のみを治療目標としていた
3)今日ではできる限り病因に対する治療法が望まれている.
〔臨床分類〕
A.病因による分類
1)慢性ウイルス性肝炎
2)慢性自己免疫性肝炎
3)アルコール,薬剤,その他によるもの
B.病理組織学的分類
1)線維化の程度(Stage):F 0~4
2)炎症活動性の程度(Grade):A 0~3
〔重症度〕
軽症:自覚症状を呈さず,軽度のAST・ALTの上昇を認める.肝組織像ではStageとGradeがともに低い.
中等症:軽症と重症の中間.
重症:全身症状,黄疸,意識障害などを呈し,AST・ALT高値,蛋白異常,凝固異常などを認める.肝組織像ではStageとGradeがともに高度.
〔治療の目標〕
1)自覚症状の消失と快適な日常生活
2)原因の除去(可能