〔治療の基本方針〕
1)誘因を除去し,膵の安静を保つ
2)膵組織の炎症の鎮静化を図る
3)特異的な薬物治療の有効性は確立していない.
〔臨床分類〕
1)アルコール性膵炎
2)胆石膵炎
3)特発性膵炎
4)その他の原因による膵炎
〔重症度〕
軽症:炎症が膵組織に留まる.比較的軽度の腹痛などの消化器症状を呈する.
中等症:炎症が周囲組織に波及する.腹痛などの消化器症状は強い.
重症:膵壊死,周囲組織の炎症や局所的合併症にとどまらず,全身に影響が波及する.多臓器不全,DIC,重篤な全身合併症を呈することもある.
〔治療の目標〕
1)自覚症状の改善
2)膵炎の鎮静化
3)合併症の予防と治療
〔効果判定の指標〕
1)自覚症状と身体所見
2)血液検査(CRP,白血球,膵酵素など)
3)画像検査(腹部超音波,CTなど)
【処方例】
A.軽症および中等症
●絶食により膵の安静を保つことが基本とされてきたが,経腸栄養や早期の経口摂取で絶食にしないほうが