〔治療の基本方針〕
成人では日本甲状腺学会の「バセドウ病治療ガイドライン2019」に,小児では日本小児内分泌学会および日本甲状腺学会による「小児期発症バセドウ病診療のガイドライン2016」に準拠する.治療法には,抗甲状腺薬による薬物治療,131I内用療法,外科手術があり,インフォームド・コンセントを得て,選択する.わが国では薬物治療が広く行われているが,寛解率が低い,治療期間が長い,副作用が多いなどの欠点がある.なお,小児では薬物治療が第1選択である.
薬物治療では成人も小児もチアマゾール(MMI)が第1選択薬である.通常,成人ではMMI 1回15mg 1日1回で,治療前の血中遊離T4(FT4)濃度が7ng/dL以上(場合によっては5ng/dL以上)の症例ではMMI 1回15mg 1日2回で開始する.ただし妊娠初期(4週0日~15週6日)およびMMIが副作用などで使用できない場合はプロピル