〔臨床分類〕
A.先天性:甲状腺発生異常,甲状腺ホルモン合成異常,TSH受容体遺伝子異常など
B.後天性:自己免疫機序〔慢性甲状腺炎(橋本病),無痛性甲状腺炎後〕,亜急性甲状腺炎後,続発性(甲状腺手術後,放射線治療後),ヨード過剰・欠乏,薬物(抗甲状腺薬,リチウムなど)
〔重症度分類〕
1)潜在性甲状腺機能低下症:TSH(軽度高値),FT4(正常),FT3(正常)
2)軽症甲状腺機能低下症:TSH(高値),FT4(低値),FT3(正常)
3)顕性甲状腺機能低下症:TSH(著明高値),FT4(低値),FT3(低値)
4)粘液水腫昏睡:未治療の高齢顕性甲状腺機能低下症患者が,寒冷曝露,感染症,外傷,脳卒中,心疾患,消化管出血,利尿薬や安定剤などの薬剤服用などを機に意識障害や低体温,低換気,心不全などをきたす状態
〔治療の基本方針〕
甲状腺ホルモンの補充を行う.甲状腺ホルモンにはサイロキシン(T4)とトリヨード