〔重症度〕
神経救急疾患であり,発熱,項部硬直,意識障害,頭痛が複数認められた場合は髄膜炎を疑い,脳圧亢進,出血傾向,穿刺部位局所の感染などの脳脊髄液検査の禁忌事項を除外した後,直ちに脳脊髄液検査によるグラム染色や細菌培養,血液培養を行う.脳脊髄液にて多形核球優位の白血球増多,蛋白上昇,糖低下が認められれば急性化膿性髄膜炎を疑い,培養結果を待たずに抗菌薬を開始する.抗菌薬投与前にステロイド治療を併用する.
〔治療の目標〕
1)脳脊髄液中の細菌の殺菌
2)脳神経障害,認知機能障害,片麻痺などの合併症の発生予防
〔効果判定の指標〕
1)発熱,意識障害,頭痛などの症状の改善
2)脳脊髄液中の起炎菌の消滅.一般に症状が改善した後7~10日間の抗菌薬使用が望ましい.
【処方例】
脳脊髄液検査後,可能な限り早期から抗菌薬を開始し,起炎菌が判明した場合は感受性のあるものに変更する.成人の代表的な例を以下に示す.詳細は