〔治療の基本方針〕
1)躁症状とうつ症状のそれぞれの病態に合わせて治療方針を決定する
2)躁症状では薬物療法で興奮の鎮静を図りつつ回復を待つ
3)うつ症状では薬物療法で抑うつを改善させると同時に,自殺のリスクを評価する
4)重症例では入院治療も検討する
5)維持療法によって病相(うつ病相を含む)の再発防止を図る.
〔臨床分類〕
1)双極症躁病相
2)双極症うつ病相
3)維持期:躁病相とうつ病相のいずれでもなく,再発予防を目指す時期
【処方例】
A.躁病相
①リーマス錠→ 1回200mg 1日2~3回(有効血中濃度:0.6~1.0mEq/L)
②バルプロ酸ナトリウム錠→ 1日400~1,200mgを2~3回に分割(有効血中濃度:70~100μg/mL)
③カルバマゼピン錠→ 1日400~1,200mgを2~3回に分割(有効血中濃度:4~12μg/mL)
④オランザピン錠→ 1回10~20mg 1日1回
脂質系の異常や血糖