〔治療の基本方針〕
全身性エリテマトーデス(SLE)は,DNA-抗DNA抗体などの免疫複合体の組織沈着によって起こる自己免疫疾患である.症状は寛解と増悪を繰り返し,慢性に経過する.SLEの診断はACR分類基準(https://ard.bmj.com/content/78/9/1151)などを用いて速やかに決定する.診断したら,障害臓器の判定,および重症度と疾患活動性の判定が重要である.すべての症例にヒドロキシクロロキン投与を考慮する1,2).SLEの治療の基本はステロイドである.ただし,長期投与はさまざまな副作用を引き起こすため,必要最小限の投与を行うのが原則である.ステロイドの効果不十分例あるいは不耐例などでは,免疫抑制薬やベリムマブを併用する.
障害臓器が皮膚,腎臓,神経系などにあるかどうかによって治療のアルゴリズムが異なる(図1図).障害臓器が皮膚に限局する場合には,ステロイドあるい
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