【有効濃度域】
血漿(血清,時に血液)中薬物濃度が薬効または毒性と関係する薬物について,大多数の患者で目的とする薬効が出現し,有害反応の発現率が容認できないほど高くない薬物濃度の範囲.患者の薬物感受性の個体差のために,この濃度域の上下限外側はそれぞれ中毒濃度域と無効濃度域に連続的に移行する.したがって,標準的な有効濃度域以下で薬効が発現することも,有効濃度域内で有害反応が発現することもある.有効濃度域はあくまでも薬物投与量個別化の道標であり,最終的な薬物治療の目的は臨床効果である.
【分布容積(量):Vd】
薬物の初回(負荷)投与量で目的とする薬物濃度を達成しようとする場合の投与量計算に有用な指標である.初回(負荷)量=目標薬物濃度×分布容積で計算する.浮腫や腹水などの病態で変化する場合がある.
【クリアランス:CL】
血液中の薬物が肝臓や腎臓などで取り除かれ,体内から消失する際の処理(浄化)