特集にあたって
本邦におけるアレルギー専門医制度は内科・小児科・皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科の基本領域のサブスペシャルティ領域として位置づけられており,2026年2月現在,全国で4,700人がその資格を有している.その数は徐々に増えてきてはいるものの,各診療科の専門医(内科は認定医も含む)のなかでアレルギー専門医も有している者の割合をみると,内科2.4%,小児科10.0%,皮膚科6.8%,耳鼻咽喉科5.0%,眼科0.2%にとどまっている.そのため,アレルギー専門医は「身近に必ずいる存在」ではなく,多くの地域で内科医,プライマリ・ケア医がアレルギー診療の第一線を担っているのが現実である.しかしながら,アレルギー疾患の症状は多臓器に及び,その年齢層は乳幼児から高齢者まで幅広いため,診療の現場では,「これはアレルギー疾患なのか?」「まず何をすべきか?」「どこまで自分で診るべきか?」といった判断を迫られる場面が繰り返し訪れる.
また,近年はアレルギー診療を取り巻く状況も変化している.2型炎症やバイオマーカー,生物学的製剤,アレルゲン免疫療法など,基礎研究の成果が急速に臨床応用され,その内容はいっそう高度化・複雑化している.そのため,アレルギー専門医においても基本領域の違いにより得意とする守備範囲が異なるという特性がある.このような変化のなかで,アレルギー診療における「そのときどうする?」という問いは,単なる知識の有無ではなく,情報をどう整理し,どのように専門医と役割を分担するかという判断の問題へと変わりつつある.
特集を読む前に あなたの理解度チェック!
●今月の特集執筆陣による出題です.アレルギー診療に関する理解度をチェックしてみましょう!
アレルギー領域の未来をひらく—専門性を越えた“つながり”がもたらす可能性とは
アレルギー領域は,基礎と臨床,さらには診療科の垣根を越えた連携によって,より深く,そして広く展開していく可能性を秘めています.本座談会では,「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略 次世代タスクフォース(ENGAGE-TF toward 2030)」のメンバーにお集まりいただき,アレルギー領域の現在と未来について多角的な視点から語り合いました.それぞれの現場で感じているアレルギー領域の課題や可能性,そして未来への想いが交差する本座談会の内容が,読者の皆さまにとって新たな気づきやヒントとなれば幸いです.(正木)
ピックアップ
最新号やバックナンバーから選ばれた文献を、Web形式で閲覧できます。
・年間購読(有料) をされた方は、過去の記事もすべて、全文を閲覧できます
・雑誌によっては、どなたでも全文を閲覧できる記事もございます
関連サイトのピックアップ
関連する雑誌サイト、医学書院の運営するメディアの記事を表示しています。