▶ 今月の特集執筆陣による出題です.腎臓病診療に関する理解度をチェックしてみましょう!
Q01 long term eGFR plot(LTEP)の利点として正しいのはどれか.2つ選べ.
A:尿量を視覚化できる.
B:慢 性腎臓病(CKD)の原疾患を判定できる.
C:腎機能の経時的推移を一瞥で把握できる.
D:CKDの重症度分類を確定できる.
E:患者の自己管理を促しやすい.
Q02 次の記載のうち,誤っているのはどれか.
A:尿試験紙法は尿濃縮や尿希釈の影響を受けやすい.
B:尿蛋白定量のわが国における標準は尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)である.
C:アルブミン尿の進展とともに,心血管死,全死亡のリスクが増大する.
D:尿沈渣での変形赤血球や赤血球円柱の検出は糸球体腎炎の存在が示唆される.
E:特定健診における尿蛋白定性検査(尿試験紙法)を検尿なしと比較した場合の増分費用効果比(ICER)は500万円/質調整生存年(QALY)以下である.
Q03 CKD患者に対するカリウム管理に関して,正しいものを1つまたは2つ選べ.
A:CKD患者には,全例で厳格なカリウム制限を行うべきである.
B:カリウム摂取を制限しすぎると,栄養不良や生活の質(QOL)の低下を招く可能性がある.
C:カリウムは主に腎臓で排泄されるため,腸内環境はカリウム管理に無関係である.
D:高カリウム血症は重篤な合併症を引き起こすことがあり,慎重な対応が求められる.
E:食品中のカリウム含有量だけをみれば,カリウム管理は十分に行える.
Q04 低蛋白食(LPD)でメリットとならないのはどれか.
A:糸球体濾過量(GFR)低下
B:血清リン濃度のコントロール
C:アシドーシスの管理
D:サルコペニアの発症予防
E:末期腎不全(ESKD)への進行抑制
Q05 アルブミン尿を認めるCKD患者でレニン・アンジオテンシ系(RAS)阻害薬が第一選択薬とされる主な理由として,適切なものはどれか.1つ選べ.
A:腎臓でのエリスロポエチン産生を促進し,腎性貧血を改善するため.
B:尿細管での糖の再吸収を阻害し,血糖値を低下させるため.
C:輸入細動脈を拡張させることで,腎血流量を増加させるため.
D:輸出細動脈を拡張させることで,糸球体内圧を低下させるため.
E:集合管での水の再吸収を強力に促進し,脱水を防ぐため.
Q06 非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬フィネレノンに関して正しいものはどれか.2つ選べ.
A:適応症は高血圧症である.
B:ステロイド型 MR拮抗薬に比べて高カリウム血症の頻度が低い.
C:MR以外のステロイドホルモン受容体への作用が強い.
D:投与 4週後に血清カリウム値と推算糸球体濾過量(eGFR)を確認する.
E:RAS阻害薬やナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬を投与中の患者には禁忌である.
Q07 腎機能異常を伴う造影剤検査に関して以下のなかから適切なものを2つ選べ.
A:造影剤使用後に腎機能が悪くなる病態は全般的にcontrast-induced acute kidney injury(CI-AKI)と呼ぶ.
B:近年の蓄積されたエビデンスでは,CI-AKIに関しては造影剤使用との因果関係は明確でない結果になりつつある.
C:現在の本邦でのガイドラインでは,腎機能障害のある患者に対するガドリニウム造影剤検査は腎性全身性線維症(NSF)のリスクを考え禁忌である.
D:米国放射線学会の分類で groupⅡに属するガドリニウム造影剤はキレート安定性が高くNSFのリスクは低い.
E:N-アセチルシステイン,マンニトールはヨード造影剤による造影剤腎症の予防として勧められている.
Q08 急速進行性糸球体腎炎の臨床所見・経過について正しいものを2つ選べ.
A:数週~数カ月の経過で急速に腎機能障害が進行する.
B:原 因としては抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎によるものに限定される.
C:腎予後は良好である.
D:血尿,蛋白尿,赤血球円柱などの腎炎所見を認める.
E:慢性維持透析導入の原因として最も多い.
Q09 CKD患者が腎代替療法を選ぶ際に望ましくないものを1つ選べ.
A:患者の QOL,生命予後,生活に与える影響を比較検討するべきである.
B:全身状態が非常に良好なのであれば,eGFR 10mL/分/1.73m2を切った段階で非専門医から専門医に依頼する.
C:共同意思決定(SDM)の手法を用いる.
D:わかりやすい資料などを用い,多職種から各治療法のメリット,デメリットを説明する.
E:患者の価値観,希望にあったものを選択する.
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