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臨床整形外科 60巻11号 (2025年11月発行)
特集
周術期の抗血栓薬 休薬? 継続?
緒言 閲覧可
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酒井 紀典 1
1徳島大学病院高度先進整形外科診療部
pp.1209 , 発行年月 2025年11月

 現在,整形外科手術の対象は高齢患者が中心となり,心・脳血管疾患の既往により抗血栓薬を内服している症例も増加しています.一方で,周術期管理においては,出血性合併症を防ぐための“休薬”と,脳梗塞や心筋梗塞といった血栓性イベントを回避するための“継続”との間で,われわれは常に慎重な判断を迫られます. 実臨床では,「出血を懸念して休薬したが,術前に脳梗塞を発症した」「継続を選択したが,硬膜外血腫で再手術となった」といった事例も決して稀ではありません.患者背景や併存疾患,術式の侵襲度,麻酔法やドレーン管理など多くの要素を総合的に評価し,最適な方針を導き出す力が今まさに求められています. 本特集では,添田沙織先生に抗血栓薬の基礎知識を解説していただき,船尾陽生先生,樽角清志先生には休薬・継続それぞれの利点とリスクについて論じていただきました.さらに,丹祐人先生には四肢外傷手術,手束文威先生には脊椎脊髄手術,尾原裕康先生には脳神経外科手術,牧野紘士先生には神経ブロックと,各領域における管理の実際をご紹介いただいています.加えて,堀田健介先生には整形外科医の立場から,北端宏規先生には循環器科医の立場から,休薬期間や再開時期に関する見解を提示していただきました. 複雑化する周術期管理のなかで,本特集が読者の方々の判断の後押しとなり,すべての患者にとって最善の治療へとつながる一助となることを期待しています.

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