
B5判・304頁
2025年3月
定価:13,200円
(本体12,000円+税10%)
ISBN978-4-260-05743-1
医学書院刊
日本足の外科学会理事長である仁木久照先生が,ライフワークとしている足の外科の集大成とも言える書籍を出版されました.一人の足の外科医として足の疾患と真摯に向き合い,難しい病態に対する治療法を,聖マリアンナ医科大整形外科・足の外科班の仲間と一緒に,まさに紡ぎ出したと表現するのがふさわしい,ご苦労の跡が手にとるようにわかる感動的な内容になっています.
仁木先生は物事を非常に緻密に考えられ,構想されたことを形にする実行力と決断力を兼ね備えた素晴らしいリーダーであります.日本で初めての足疾患に特化した患者立脚方評価法であるSAFE-Qを,仁木先生は日本足の外科学会の当該委員会の委員長として一から作り上げ,まとめあげられました.私も委員の一人として参加し,つぶさにその作成過程を拝見しました.何もないところから質問項目を選定し,統計学的な手法を駆使して下位尺度を順序立てて決められて,さまざまなことを積み上げられてできた最終案をさらに検証されて論文として完成させるという仁木先生の素晴らしい才能に感服した覚えがあります.
本書はまさにこれと同様に治療法を紡ぎ出し,そのポイントを惜しげもなくつまびらかにした内容になっています.「NIKIメソッド」というネーミングは,緻密で論理的な仁木先生の手技を的確に表現されており,非常にチャーミングな言葉であると感じました.
仁木先生といえば扁平足の第一人者ということで有名でありますが,2020年に成人期扁平足のPCFD(Progressive Collapsing Foot Deformity)分類という概念が米国を中心として提唱されました.日本足の外科学会ではPCFDの和訳を進行性扁平足といたしました.本書では,その治療戦略についても詳細に述べられています.その他の疾患においても,アルゴリズムを駆使して,明確に基準を決めて術式を選択していくという大変わかりやすい構成になっています.足の外科のベテランの先生にはNIKIメソッドを取り入れていただき,ご自身の診療の幅を広げていただきたいと思いますし,足の外科を始めたばかりの先生方にも非常に参考になる内容が網羅されております.また,Web動画がついており,実際の手技がわかりすぐにでも臨床で実践できる実用書であります.
足の外科に少しでも興味がある先生はぜひ一度手に取っていただきたいと思います.