●日本の眼科界が戦後に復興し,発展する過程において,医学書院ならびに『臨床眼科』誌は大きな役割を果たしてきた。
●先進諸国のように,日本にも日本語で発行する医学出版社が必要である。
●インターネットやSNS,さらには人工知能の時代を迎え,信頼できる医学情報の提供は一層重要となっている。そのなかで,医学書院が担う使命と役割は,今後ますます大きなものとなるであろう。
はじめに
『臨床眼科』誌は創刊以来,2026年で80年を迎える。80年という歳月は,第二次世界大戦後の日本の復興・発展の歩みと重なり,同時期の眼科学の発展とともに歩んできた歴史をもつ。筆者は2008~2025年に本誌の編集委員を務め,その間,多くの方々と本誌の目的や価値,将来像について議論を重ねる機会を得た。本稿執筆にあたり,創刊号から現在までのすべての『臨床眼科』誌を通読するという貴重な経験をすることができた。それらをもとに,『臨床眼科』および医学書院が日本の眼科学の発展に果たしてきた役割を振り返り,今後の展望について私見を述べたい。