症例
患者:80歳,女性
主訴:視野狭窄
既往歴:高血圧症,狭心症にて抗凝固薬内服
現病歴:約10年前に近医で両眼の白内障手術を施行された。数か月前から右眼の視野狭窄を自覚し,前医を受診した。右眼の眼内レンズ亜脱臼と落屑緑内障を認め,手術目的に当科紹介となった。
初診時所見
視力:右手動弁(矯正不能),左0.8(矯正不能)
眼圧:右32mmHg,左14mmHg
眼所見:両眼に落屑症候群を認め,右眼の眼内レンズは下方に亜脱臼していた(図1)。
経過:緑内障点眼とアセタゾラミド内服を行っても右眼の眼圧は高値であり,残存視野はわずかで,末期緑内障と診断した。右眼の眼内レンズ整復と眼圧下降が早急に必要と判断し,同日に硝子体手術,眼内レンズ摘出,眼内レンズ強膜内固定,アーメド緑内障バルブ(Ahmed® Glaucoma Valve:AGV,New World Medical社)挿入術を施行した。手術は問題なく終了し,術翌日の眼圧は15mmHgに低下していた。細隙灯顕微鏡検査では角膜透明,前房内炎症3+で,眼内レンズは固定されていたが,後方から著明に隆起した網脈絡膜に圧迫されていた(図2a)。また,Bモード超音波検査でも網脈絡膜の隆起を認めた(図2b)。
この症例で最も考えられる診断は何か?
1.硝子体出血
2.脈絡膜剝離
3.網膜剝離
4.脈絡膜出血