泌尿器科は,腫瘍・結石・感染症・排尿障害・ED・外傷などの幅広い領域を扱う診療科であり,たくさんのサブスペシャリティが存在します.この多様性こそが泌尿器科の最大の魅力です.ひとつの診療科でありながら,男性・女性,小児から老年,さらには腎臓・内分泌・生殖医療まで,まるで迷宮のように複雑で奥深い世界が広がっているのです.
大学や教育施設ではいくつかの専門領域に重点を置くことが多いと思いますが,実際の日常診療では幅広く知識と技術が必要で,泌尿器科医には内科的思考と外科的思考を兼ね備えた診療が求められます.近年のロボット支援手術や低侵襲治療の進歩により,外科領域の中でも非常に革新性に富んだ分野となっている一方で,排尿障害や性機能障害といったQOLに直結する問題に取り組むことも重要であり,患者さんとの信頼関係を築きながら治療を進めるコミュニケーション力も不可欠でしょう.こうした泌尿器科の多様性は,他科にはないやりがいをもたらします.
本特集では,まず鼎談を通じて「サブスペシャリティとは何か」を問い直しました.そして,領域別にそれぞれのご専門の先生方にお願いして,その魅力と将来展望を存分にご執筆いただきました.
この特集を通じて,泌尿器科の奥深さを再認識し,キャリア形成や診療のヒントを得ていただければ幸いです.迷宮のように広がるサブスペシャリティの世界を,一緒に探検してみませんか.
慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
大家基嗣